社会人が勉強する価値【蔭山ゼミ(勉強会)の誕生秘話とご案内】

スピーチ上達法

今回は、100回以上開催している、「蔭山ゼミ」がなぜ誕生したのかという話をします。

蔭山ゼミとは、僕が主催している、半日間ずっと本を読んで、ディスカッションするというゼミです。

この超情報化高度化・高速化時代に、まだそんな原始的な勉強の仕方をしているのかという感じがしますが、誕生した理由と、その経緯をお話しします。

なぜこの話をするかというと、「学ぶ」ことのきっかけになったからです。

もともと僕は食えないライターでした。社会人になってから、やっぱり食えないので、勉強をたくさんしたんです。その勉強の土台が、今の僕を支えています。

宮台真司との出会い

大学卒業後すぐの、2008年、リーマンショックがあって、僕は本当に食いっぱぐれるんです。やばいなという感じでした。

当時あまり稼いでいなかったので、100万、200万円ぐらいの損失(契約解除)が、もうめちゃめちゃ痛くて、どうしようかなと思っていたのが記憶にあります。

その時に、正直仕事がないから、勉強ぐらいしかすることがなかったんです。当時、あらゆる業界が完全に停止していましたから、仕事するといっても、お金のかからない一番良い方法は本を読むことでした。

ある日テレビを見ていたら、宮台真司という人が出てきました。もともと知ってたんですけど、彼が喋ってる姿を僕は初めて見たんです。

社会学者の宮台真司さんが、水道橋博士と評論家の宮崎哲也さんと一緒にディスカッションしていて、その時の宮台さんの言葉のキレに驚き、キレに驚いただけならいいんですけど、

僕は長年演劇をやっていて、言語化できない、情念的なものや感性的なものの重要性はフィーリングでは分かっていて、ある程度の言語化は努めてたんですが、

彼が、かなりクリアに宗教的なことやアート的なことを言語化していることに驚きました。

この人を調べてみたら日本でも有数の社会学者であることがわかり、

「よし、この宮台さんのところで勉強しよう」と、

僕は宮台さんに頼み込んで、首都大に通うことになりました。

宮台ゼミでの衝撃

首都大に通って、最初のゼミの講義を忘れもしません。

学生たちは、英語のマイケル・サンデルの原著を片手にディスカッションをしていました。

マイケル・サンデルって、今でこそ NHK で白熱教室とか放送されていたから、どういう学者か有名だと思うんですが、宮台ゼミは当然そういったものが世に公開される前に、翻訳が広く世の中に普及する前に、原著でディスカッションをしていました。

しかも、その学生たちは首都大の学生はほとんどいないんです。半分くらいは社会人もしくは他大生で、一切自分の単位にならないけど、必要な勉強をしようと集まっている人達でした。

その仲間に僕も加えていただいたんですが、何が驚いたかって、僕、結構ロジックが立つ方だと思っていたし、言葉も強いと思っていたので、読めない本もあんまりないな、日本語の本を読むのは結構楽勝だなと思っていたんです。

日本語の本を読むのは楽勝な僕が出てくるのは、マイケル・サンデルの英語の本なので、まず苦戦します。次に、レジュメは切ってあって、レジュメの内容は日本語で書いてあるのに、その内容も正直よくわからない。

宮台ゼミは、朝の10時から夜の6時まで、6時間くらいがっつり拘束して行う勉強会なんですが、本当に一言もわからない時間が、1時間あるぐらいには何も分からないんです。

僕より年下の学生さんや大学院生もいましたし、社会人の学者さんもいたんですけど、にしても、こんなにわからない日本語っていうのが世の中にあるのかと、衝撃を受けたのが最初の講義で、そこから歯を食いしばって、論文を読んだり難しい本を読み進めていくわけです。

自分の言語やポジションを引き上げるには

宮台さんの先生方の中に、小室直樹とか廣松渉とか、様々な有名な政治学者、社会学者、哲学者がいますから、彼らの本を読んでいくんです。

そうすると、二行が読めないとか、本が読めないんです。こんなに難解な日本語が世の中に存在していいのか、というのが最初の手ごたえでした。

それを1年、2年、3年ぐらいかけて、しっかり勉強して読みこなして、先生方とも対等に議論できるように訓練し直しました。

その時の努力が今の僕を完全に支えている。

蔭山ゼミは、宮台ゼミで一生懸命辛い思いをして訓練した知的体験を、社会人やその他本気で学びたいと考えてる人のために、門戸を開き続けるために開催しています。

また僕自身も、更なる研鑽を積むために蔭山ゼミをやっています。僕が食えるようになったのは、完全に社会人になってから必死に勉強したおかげです。ただこれだけです。

普通の勉強は皆やっていて、ダラダラとビジネス書を読むぐらいは、皆やっています。それと同じ事をやったって、同じ量産型の人間になるだけなんです。

そうではないレベルに自分の言語やポジション引き上げようと思うと、確かにマーケティングやブランディングで自分を売り出すのは大切ですが、それを支えているのは、僕の場合は単純に勉強なんです。

だから、筋肉裏切らないんで、勉強も多分裏切らないんです。一生懸命勉強してもらうといいなと思って、僕は、蔭山ゼミをどんなに大変でも100回を超えるぐらい一生懸命やり続けています。

また近日、蔭山ゼミがありますし、隔月開催していきます。もし差別化してきたい方がいらっしゃれば、思考訓練、ゼロベースで物事を考えていく時の土台をしっかり訓練できると思います。

その手ごたえを感じて下さっている方も多いので、100回目を超えて毎回満席なのですが、ぜひ遊びに来てください。

一文字もわからないってことは蔭山ゼミの場合はないんですが、皆さんがどんどん訓練されていけば、一文字もわからないディスカッションをする会を、宮台さんをゲストに呼んでやったり、ご要望があれば、ゲストを呼んでハイレベルな議論とかもしてみたいなと思ってます。ぜひ遊びに来て頂ければなと思います。

ということで、今回は真剣に学ぶことで差をつけた話。

100回以上開催している蔭山ゼミはなぜ誕生したのかをお話しさせていただきました。

スピーチライターゼミのご案内

スピーチライターゼミは、スピーチ、ライティング、リベラルアーツなど、さまざまな表現を学びたい人が集まるコミュニティです。

主に、ライティングのワークショップやスピーチ大会、リベラルアーツを学ぶ勉強会が開催されています。※蔭山ゼミも、スピーチライターゼミのコンテンツの1つです。

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