男性の脱毛、戦国武将からアーティストまで。

評論

まさかまさかの3回連続続けて脱毛のお話しになりました。

今回も、熱を入れて意外な歴史の話、戦国武将の髭の話から大正のモダンボーイとかモダンガールがどうだったのかみたいな話まで含めて、今日は男性の脱毛について語りつくしたいと思います。

というか、主に髭の話をするつもりです。

その本題に入る前に、こんなコメントをいただきました。

介護のプロに介護脱毛について聞いたところ、「そんなこと知らないよ」ということで、介護脱毛はあくまで脱毛したい人の言い訳になっているか、プロモーションのキャッチコピーに過ぎないということが分かりました。

ということで、介護のために脱毛する必要は基本的にないと。見られたくないという思いはあると思うんですが、介護上ほとんど気にならないということのようです。

男性の髭の歴史

さて、今日は男性の脱毛ですね。これも貝印さんが結構すごく詳しく書いていて、その貝印さんの情報とその他の情報とかけ合わせて今からご説明をしていきたいと思います。

まず戦国武将と髭。

昔の戦国武将ってなんか皆髭生やしているでしょう。なんかかっこいいじゃないですか。

無精髭生やしている人もいれば、織田信長みたいにちょび髭生やしている人もいて、とにかく髭を生やす=権力の象徴=かっこいいみたいな、そういう時代なんですよね。

男が戦うということと髭が結びついていたものと思われます。

じゃあ、そのまま戦う男は髭を生やし続けたのかというと、そんなことはなくて、江戸時代の武士はなんと髭を剃ることを辞めます。

江戸時代に入って上層部の武士からだんだん髭を剃るようになって、1670年徳川家綱が大髭禁令というものを出して、もう髭を生やすんじゃないということで、髭が生やせなくなります。

髭=ヤビということで、「そんな下品なことはするな」と。

髭はダサいという話になるんですが、これはなんでなんでしょうね。

後でまとめて考察しますが、その後明治に入り、今度逆に外国人がやってくるわけですよ。

軍人って結構皆さん髭を生やしているじゃないですか。

そういうものを見て文明=髭=権力みたいな形で、明治時代になるとまた髭が生えるようになります。

明治の軍人さんとか、あと大久保利通とかあの辺髭を生やしていたりするじゃないですか。

だから、また髭が江戸時代から復権して髭が生える。

そして大正・昭和になってモダンボーイ、モダンガールというものが出てくるわけです。

モダンボーイ、白馬に乗った王子様イメージでしょう。「はいからさんが通る」に出てくる白馬に乗った王子様。少女漫画に出てくるイケメン達というのは、基本的には髭を生やしていませんよね。

一方で対称として描かれるのは、昔ながらの明治風の人として髭を生やした偉そうな憲兵みたいなものが髭を生やしているというふうになりますね。

つまり爽やかなイケメンと古風な人みたいな対比で描かれるようになる。

その後皆さんよくご存じの通り軍国主義に突入していき、その中で軍人は髭を生やすということで髭が復活をします。

戦後どうだったかというと、黒澤明や小津安二郎の中でも髭を生やした人達がたくさん出てきますが、基本的にはワイルドな人が生やすかお爺ちゃんが生やすか。若い爽やかな人は基本的に髭を剃るということになっています。

1973年の調査になれば髭率なんと5%で、若手社員で髭を伸ばしている豪傑は全然いないそうです。一方で髭を生やしている5%ってどういう人なのかというと、反体制派の記号としての髭であり、ヒッピーであったり、ヒッピーグループの左翼とかあとは外線右翼なんかのヤクザの権力誇示、軍人型右翼みたいなものが生やしていると。

現代は、そういう右翼、左翼みたいなヒッピー、ヒッピーじゃないという文脈とは切りきれてはいないのですが、おしゃれとしての髭が人気になります。

1990年代無精髭風ブームというものがあったんですけれど、中田英寿とかベッカムとかイチローとかが無精髭を生やしてワイルドさを表現するみたいなことがありました。

現代は、BTSに代表されるように髭を全く生やさない、毛が無いような雰囲気の人達というものが一部出てきていて非常に盛り上がっているということですね。

戦わなきゃいけなくなった時に髭が出てくる

これ振り返ってみると何かというと、秩序が無くなって戦わなきゃいけなくなった時に髭が出てくるみたいです。

戦国武将というのは戦うでしょう。

そうすると「俺は強いんだ」ということを誇示しなきゃいけないので、男性性を強調して戦闘態勢になっていく。

男らしさが表現される、権力を強く伝える。

所有原理により社会を統治しようという、そういうことになるわけですね。

これが江戸時代になって戦争が無くなって、むしろ官僚化していくわけです。

組織的なものになっていく。

殺すか殺されるかじゃなくて、どうやってやり過ごすかということになっていくわけですから、そうなると当然強い怖い髭というものは、お前何脅しているんだよということで官僚組織から嫌われますよね。

武士といえどももう官僚ですから。この時は髭を剃らないといけなくなった。

一方でまた明治になって、欧米と戦争して、戦国武将と同じ論理で髭が生えていく。大正時代、昭和、戦争は一部あるんですが、しかし平和な時代ですので、日本人は髭を剃ったと。

一方で偉そうにしている憲兵の、明治時代や江戸時代、戦国時代の名残としての髭が一部残ると。戦争と髭というので権力を誇示する、偉そうにする髭、がずっと続きます。

しかし現代まで来れば、それは偉そうにする髭ではなくて、どちらかというとヒッピーカルチャーの流れ、大きな体制。

江戸の幕府であり、日本の企業である大きな組織、この人達は基本的に髭を剃っているわけですから、「ここに属さないぞ」という戦い方をする人達がいて、そういう人達がおしゃれのアイコン、自分の立ち位置を示すアイコンとしての髭が出てくるわけです。

こうして髭というものは、権力に戦うか権力と戦うというか、混沌と戦うか巨大な観衆とか空気とか組織とか制度とか、そういうものと距離を置く、戦うという意味で、戦いの象徴としてずっとここまできているわけです。

髭を生やさないのは、非所有型コラボレーションタイプの人間

一方で星野源やBTSのように、現代は髭を生やさない人達が大半です。

白馬の王子様がモテるみたいに、髭というのは基本的にはあまり人気がないわけですね。

現在も95%以上の人が髭を生やしていないですから、髭というものは、なかなか女子ウケはしないと。そうじゃなくて戦いの象徴として使っていくものです。

じゃあ、その毛を徹底的になくすという方向にBTSみたいな人達がいて、BTSやその他アイドルは口髭だけでなくて陰毛や脇毛もおそらく完全に脱毛しているであろうと思われます。

なんで脱毛しているのかというと、ちょっとコメディチックになるでしょう。

口髭だけ生えて全身ツルツルってやっぱりちょっと変でしょう。

だから、なんでちょっと変に感じるかというと、たぶんBTS系というのは、ある種男の強さを歌っているというよりは、男女問わずコラボレーションして楽しんで生きていこうというスタンスですよね。

所有か非所有で言うと、完全に非所有型コラボレーションタイプの人間なわけですよ。

そういうふうにお互い強さを誇示するとか権力と戦うんじゃなくて、戦いじゃなくてフュージョンしていく、溶け合っていく方向で社会と関わっていこうというやり方があって、その代表にやっぱり星野源やBTSがいると。

もちろん溶け合うだけでは全然社会は動かないので、戦っていく側の人と溶け合っていく側の人とそれぞれいて活躍していくという時代なんでしょうね。

今後の髭ブームは、女性がどうありたいかが大きく関連してくる

今は溶け合っていく人のほうが人気が爆発していますが、また時代と共に、よりこれから混沌としていきますから、溶け合ってばかりもいられないということで髭を生えている人達やワイルドなダンディズムを強調する人達がたくさん出てくるのではないかと予想をいたします。

予想いたしますが自立した女性、つまり所有されたくない女性がたくさんいるわけで、そういう女性が増えれば増えるほど、髭人気は落ちていきます。

これは社会の世相の中で、女性がどうありたいかが大きく関連してくるので、一概に100%どうなるとはなかなか言えないんですが、社会は分断していくとして、リベラルな方向に女性の自立が応援される方向に行けば、髭は後退していくでしょう。

また、より分断が進んで、混乱が強くなれば、強い力、暴力がより重要になってくるとか、あとは内部に取り入れられない外部の存在が重要になるということで、おしゃれとしてのアイコンとしての髭や闘争としてのアイコンとしての髭が見直される可能性はありますね。

ということで、VIO脱毛や脇毛の脱毛、全身脱毛の話というのは、このように髭脱毛の延長で考えると考えやすいような気がいたします。

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