金儲けはなぜ悪なのか?【商売・金稼ぎの罪悪感を歴史から紐解く】

評論

今回は、「お金儲けは悪」と認識して、ビジネスをしにくかったり、値付けに悩む人のお悩みに答えました。

自分の商品に自信を持てば、売ることへの罪悪感が軽減される?

売ることへの罪悪感を持たないって、自分の商品・サービスに絶対の自信を持てば良いのでしょうか?と聞かれました。

そういう認識ではありません。稼ぐことへの罪悪感は、自信を持っていても感じます。

例えば、ユニクロの1980円のバッグと、ルイヴィトンの40万円のバッグ、どっちも同じバッグですが、売る時にもし罪悪感を感じるのだとすれば、ルイヴィトン売る方が恐らく感じるんじゃないかと思います。

というのも原価に直すと、ルイヴィトン大したことないはずなんですよ。

もちろん2000円では作れないですけど、20万円で売っても十分利益出る。20万円はただの数字。だからやっぱり罪悪感を感じるかもしれません。

お金儲けが悪なのは、教育のせい?

「商売をすることが悪だと思ってしまうことがあります。日本の教育に問題があると感じました。清貧こそ人間のあるべき姿で、いつも罰せられるのはお金を稼いで、清貧家族の商売を買収しようとする越後屋を黄門様がとっちめるみたいな話です。教育の問題ってあるのではないか?お金儲けは悪という刷り込みを捨てるにはどういうマインド必要なのでしょうか?」

まず、日本では長らく左翼思想が非常に強く、清貧こそが人間のあるべき姿であるという教育が、まかり通っていました。日本における左翼と、欧米における左翼は、違います。

日本における左翼は、かつては共産主義のことでした。

今日本で左翼は、リベラリズムのことになっていて、ちょっと捻れがあるので、この点、誤解が多いのですが、共産主義ですから、清貧が、つまり「清い貧乏こそが、貧乏でも豊かな生活してる奴こそがかっこいい」というのが共産主義ですから、そうなるわけです。

でも特に、共産主義はソ連が倒れて、その後はうまくいかなくなったので、これをいいという人は基本的にいなくなりました。

代わりにお金儲けこそが正義だという文脈に、世界はなんとなく舵を切っているのですが、しかし未だにそうなりきらない理由は教育にあるのではないか。

半分イエスで半分ノーなんです。半分イエスというのはどういうことかというと、世界の歴史を見渡した時に、お金儲けがいいことだなんて言った国は1カ国もないです。

ここが絶対に重要です。金儲けは基本的に悪です。

だから、世界の金融を牛耳ったユダヤ教徒をあんなにバッシングするんですね。

シェイクスピアの強烈な戯曲、「ヴェニスの商人」とか、ユダヤ人なんか死んじまえ!ぐらいの勢いで悪口書いてありますよ。

実際の世界では、イスラムでももちろんそうです。

金利を取る高利貸しなんて、イスラム教徒の風上にも置けないやつです。日本でも基本的にはそうです。

中国とか商売は結構やってるんですが、しかし単なる金儲けというものは基本的には悪であるって言われて当たり前だったんですよ。

「お金を使うことが正義」という価値観の転倒

でもこれが逆転したのは、プロテスタンティズムの文脈で理解しなければいけません。

「金儲けは悪」が「金儲けはかっこいいことだ」ということを、世界で最初に言い出した国があるんです。その国はどこかというと、アメリカです。アメリカ以外の国は今でも多分そうなんですが、金儲けは悪です。

日本においても金儲けはおそらくまだ悪なんです。

しかし重要なことは、プロテスタンティズムが築いたりとか、現代経済学が築いていることは、経済は贅沢をして回すことこそが正義になっています。

つまり節約は悪なんです。金を使う奴が正義なんです。これは、経済でみんなが飢えないための唯一の知恵、物を生産するのではなく、物を消費することこそが正義になりました。

だからそういう風に、価値観の転倒が1970年代以降に起こって、今ではもう40年ぐらい経ちつつあるんですけど、その間にまだきっちり起こってないんですね。

でも少しずつ「金を使うことは悪だ」とか、「金を稼ぐことは悪だ」っていう風潮から、「ビジネスというものを前向きにやっていこう」っていう風潮ができています。

この価値観の転倒を、学校は教育していないわけです。

相変わらす清貧だ、清貧だって言っているので、教育の責任は半分あります。

半分ありますが、世界の常識から照らして、いち早くビジネスをする事、贅沢をすることが正義だという風にはなかなか書き換えられないっていうのは仕方ないでしょう。

学校教育に何を期待するのかっていうことで、この点考えてもらうと分かるかなと思います。

お金儲けをすること、お金を使うことそのものが善だっていうことが今まさに求められていて、そういう価値観の転倒を40年間かけてずっと行ってきた背景があるということで、理解してもらえればなと思います。

お金は動けば動くほどハッピー!

「最低限これだったら赤が出ずにやっていけるだろう、みたいなラインでしか見積もりが出せません」という話なんですが、これも「お金儲けは悪」問題と絡んでいます。

お金というものに魔力があるんです。

犯してはならない、迷惑をかけてならない数字に見えるんですが、さっきも言ったように、お金って動けば動くほどお互いハッピーなんですよ。

困ってないんだったら、どんどん動かしたほうがいい。

無駄に取れってわけではないので、取れるんだったら取っちゃっても問題ないと思います。

それはWin-Winで、価値が創出できるならっていうことです。

この記事を書いた人
蔭山 洋介

スピーチライターとして、上場企業経営者など多くのリーダー層のスピーチを執筆している。ベビースターが好き。

\蔭山 洋介をフォローする/
評論
\この記事をシェアする/

コメント

タイトルとURLをコピーしました