10分でわかる仏教、釈迦国の王子が悟まで。 

評論

僕、仏教についていつも熱く語っております。シンパシーを感じるのが仏教だから仏教の話が多いんですけど、宗教社会学的にはキリスト教が中心になるのでキリスト教の話はよくするんですけど、仏教について話すと、皆がもっと教えろみたいな感じで圧力が来るので、今日はその1番真ん中にあるコンセプトであるブッダ、その人について語ろうと思います。

ブッダとは何者かを10分程度でまとめてみるというチャレンジをしてみたいと思います。今から2600年前、釈迦国、今のネパールの南部(インドの北のほう)に、そこにゴータマ・シッダールタ王子が釈迦国の中に生まれます。ゴータマ王子は生まれながらにして天上天下、唯我独尊などと言ったとか言わないとか色々あるんですが、言ってはないでしょうが、とりあえず生まれますと。

その時にあらゆる動物が祝福したとか色々な逸話があるんですけど、それも話半分かなとは思います。しかし、2600年前に偉大な人物が誕生したことは間違いありません。その後、彼はすごい洞察が深かった人なんでしょうね、人間ってなんで生きるんだろうということを一生懸命悩んでいたんだと思います。

四門出游

そして四門出游というイベントに出くわすわけです。白い東の門があるんですけど、そこで王様なので城壁に囲まれた安全な中で暮らしているんですけど、その城壁の一歩外側の東の門を眺めてみると、そこには年老いた人々が苦しそうに歩いているのを見るわけです。

あぁ大変だなと思うんですね。続いて南の門に行くと、今度は病人がそこにいて、あぁ大変そうだなと思うわけです。今度西の門へ行くと、今度は死者がたくさんいるのを目撃するわけです。こうしてゴータマは生きるとは何か、そしてもう1個、差別とは何か、生まれながらにして私は裕福な生活をしている。私は幸せな生活をしているが、そうではない人達がいる。そしてそれは生まれながらのルール、カーストで決まっていることも分かるわけです。

そのカーストとは教科書に出てくる通りで、バラモン、クシャトリヤ、ビシャス、シュードラ、そしてその4階層に属せない不可触民という人達によって構成されるピラミッド構造です。そしてそれは生まれたその瞬間にもう決まっているわけです。

例えばバラモンは生まれた瞬間に僧侶で、ピラミッドの頂点にいます。クシャトリヤは王族だからゴータマはクシャトリヤとして、王族として生まれます。商人とかシュードラ奴隷とかそれぞれいるんですけど、それぞれ生まれた瞬間にそのランクに生まれて、そのランクの中で一生懸命生きることが求められる、圧倒的差別制度、これがカーストです。社会学的にはいい面も結構強調されるんですけど、今日はそこはあまり触れません。

29歳で妻子を捨てて、出家する

生まれた瞬間の差別を目の当たりにしたゴータマ・シッダールタ王子は、小説では16歳で出家する話になっているんですが、どうも子供と奥さんを捨てて29歳で出家したというのが実態のようですが、年齢重ねてゴータマ王子はクシャトリヤの優雅な生活を捨てて、頭を丸めて糞掃衣という黄色い仏教人達が来ている服あるでしょう、斜めの袈裟懸けのやつ。あれって、血と糞尿で染められた色の服という象徴なんですよ。そのボロボロの服を着て旅に出るわけです。そして彼はクシャトリヤの階級でありながら、つまり家出をして出家をして修行にチャレンジする。

当時宗教としてはバラモン教というのが中心なんですね。今のヒンドゥー教の元になった原始的な宗教なんですけど、そのバラモン教の教えと同じように、バラモン教の僧侶達がチャレンジしているのと同じように自分も修行をして悟ろうとを努力するわけです。

そしてまずやったのが苦行チャレンジです。滝行とか断食とか、長い間座禅を組み続けるとかたぶん痛いことにチャレンジするとか無理な体勢とるとか、今のヨガみたいなことも含めて釘を飲むとかね。たぶん相当の苦行をいろいろやってみたんです。苦行の向こうに答えがあるんじゃないかという修行がいっぱいあるのでね。たぶん長時間歩行とかもあったんでしょう。そういうことを色々チャレンジをしてブッダは理解するわけです。

こんなものの先に悟りは無いと言って苦行を一切やめますね。次にやるのが、彼は瞑想チャレンジです。もうこうなったら自分で考えようと目を閉じて座禅を組んでじっとすることをずっとやります。

出家して6年目に、悟る。

そしてある時、天啓が下りてくるわけですね。35歳です、出家してからたった6年でブッダガヤットの地域の菩提樹という大きな木の下で「あっ俺は悟った」と言うわけですよ。今思えばそれありなのか?なんですけど、バッと悟るわけです。悟った彼は、俺はもう全てを理解した。そして仏教の教えに従って、ここから神秘的な話になるんですけど、僕はもうこの世に存在していない。悟るとは、宇宙そのものになることを意味するので、一仏一世界という考え方があって、悟ったらもうその人は存在しなくなるんですよ。

存在しているんですけど、しなくなるんです。その結果、この世にいる必要がなくなるんですけど、彼はこの世に留まってまだ悟れていない人達のために色々な教えを与えようと振舞うようになります。これ仏典なんかに書いてあります。史実と神秘性が混ざっているので、一概に言えないんですが、そういうことになったわけです。

ブッダが悟った後

その後、釈迦国、これがセンセーショナルな一大ニュースになるわけです。階層クシャトリヤ、バラモンではない、ちょっとランクの低いクシャトリヤごときのゴータマさんが悟りましたと。

これを聞いてバラモン教の人達は激怒するわけです。あんな嘘なんかつきやがってと、俺達がこんなに必死になって悟れないのに、あいつが悟れるわけないじゃないかって言うんですけど、なんと力があったのは当然王族クシャトリヤですね。

バラモンにいつもでかい顔されていたので悔しかったんでしょうね。それを聞いたクシャトリヤランクの皆さんはクシャトリヤでも悟れる、クシャトリヤでもバラモンよりも偉くなれるって言ったブッダを持ち上げてもうばんばん寄付するわけですよ。

そうして仏教徒がいきなり巨大な宗教として誕生するということになります。ここで1個重要なのは、そもそも出家した理由が、カースト、生まれながらの差別、貧富の差に疑問を持って出家していますね。そして同時にクシャトリヤというランクの低い人がバラモンを出し抜いて悟ったでしょう。

これは共にカーストの否定なんですよ。仏教というのはバラモン教を否定するという形で出てきます。そしてその後もカースト否定し、つまり全ての人が平等に幸せに生きられる社会を目指すという形になっているわけですね。その後もブッダは悟ってこの世にいる必要はないんだけど、いながら下々の者にどのように考えれば悟ることができるのかということを説いて周ります。そしたらブッダの弟子達は次々に悟ってブッダになっていきます。

ブッダというのは仏という意味で、つまりゴータマは生きながらにしてブッダになったわけですね。その他のシャーリーシーとかいろいろなブッダがいるんですけど、その人達もどんどん仏になっていくということが起こった時代があります。

それがそのゴータマが生きていて頃の話です。それから80歳になるまでの45年間ずっと説教を続けていろいろな人にどうやったら悟れるのか、どうやったら階層の無い世界に行けるのかということをロジカルに説き続けるということをやって、最後80歳でネハンに入る、入滅するわけですね。彼はこの世に元々生まれてはいるんですけど、生まれていないんですね。また同時に死んでもいないんです。

なぜかというと、カーストというのは生まれ変わるからカーストになるんですね。分かります?この世の徳を積んでいくと次の階層に上がるみたいな話がバラモン教が考えた生まれ変わり、輪廻転生のロジックですよね。

だから、それを否定するということは永遠の生まれ変わりから解脱をして入滅する、そういうゲームから下りるということを彼はやっているので、最後80歳で横向いて腕枕して寝ているやつですけど、あれで死んだわけじゃなくて元々仮の姿としてこの世にあった姿が消えたということになっています。そして今でも当然ですが、ブッダは生まれてもいなければ死んでもなく、そこにあることになっています。

その後ブッダを中心とした非常にロジカルなウパニシャッド哲学みたいなものとして広がったりとか、あと上座仏教といってその仏教の元々の考え方に近いものが、北伝、ネパール経由で色々広がったりとか、南伝と言って大乗仏教系で日本にも広がってくるんですけど、中国なんかを経由して日本に入ってきて、世界中に仏教が広がるというのが仏教のストーリー。

仏教の、1番入門の入門のお話をさせていただきました。これが何の役に立つのかは、僕もよく分かりませんが、今日はとにかく仏教の話をしようと思って話させていただきました。

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